胆嚢摘出手術の記録(3) 手術適応の判断は如何に? 痛みが強くなり総合病院へ

胆嚢摘出手術の記録(3) 手術適応の判断は如何に? 痛みが強くなり総合病院へ

前回のエントリーはこちら。
胆嚢摘出手術の記録(2) かかりつけ医を受診、胆嚢炎の診断

血液検査の結果は…

かかりつけのクリニックでエコー検査の結果、胆嚢炎との診断を受けました。
血液検査を受け、その結果次第で手術適応かどうか判断するとのことだったので、5日後に結果を受け取りに行きました。

POINT

胆嚢炎は胆嚢に炎症が起きた状態で、多くは胆嚢管をふさいでいる胆石が原因です。
典型的には、6時間以上腹痛が続き、発熱や吐き気も生じます。
通常は、超音波検査で胆嚢炎の徴候を検出できます。
胆嚢の摘出には、しばしば腹腔鏡が用いられます。

(MSDマニュアル家庭版 胆嚢炎)

血液検査では、肝・胆道系酵素(ALP、γ-GTP、AST、ALT)の血中濃度に異常がないかと、CRP(体内で炎症が起きた時などに血液中に現れる蛋白質の一種)の上昇がないかが主に判断基準となるとのことでした。

結果は全て正常値でした。

医師も「今すぐに手術が必要というわけではないですね」とのこと。
でも、痛みがどんどん強くなってきているのはどうすればいいの…。

ドクターショッピング(患者がよりよい医療を求めていろいろな医療機関を渡り歩くこと)やセカンドオピニオンを求めているわけではないですが、ここではお薬を出してもらう以上のことはできず、痛み止めもその場しのぎでしかないため、早めの根本的な治療が必要だろうなとは感じていました。

また、こちらのクリニックでは整形外科もやっておられ、整形分野では胃痛のついでに腰が痛いので湿布を出してもらったことくらいしかなかったのですが、念のために腰椎椎間板ヘルニアで入院し、今も市内の総合病院に通院を続けていること、手術を勧められていることなどは話していました。

そこで思い切って、「また今度病院に行くんですけど、そこで(どういう診断をされるか)聞いてみるのはアリですか?」と聞いてみました。
すると意外にも、「それなら聞いてみられたらどうですか? もし紹介状が必要だったら書きますし。」との答え。
内心、それなら最初から紹介状書いてや…と思いながらも、数日後に整形外科の外来受診が控えていたので、その日に消化器内科かどこかを受診できるか聞いてみようと思いました。

どんどん悪化…前倒しで総合病院を受診

クリニックで出してもらったウルソを飲んで10日ほどが経過した頃。この頃妙に疲れやすいというか、常に倦怠感があり、何もしていなくても肩で息をするような感じになっていて、「なんかおかしいな」と感じるように。
また、ウルソやブスコパンで痛みが軽減していくわけではなく、ふとした時に来る疝痛発作はどんどん強くなっていました。

病院の外来は木曜日。それまで少しの我慢と思っていましたが、火曜日に息子が風邪を引いてしまい、水曜日には幼稚園を休ませて小児科へ連れて行かないといけなくなりました。子供がいると、自分のことは後回しにせざるを得なくなりますが、さすが今はキツイ…( ;∀;)
泣きを入れたところ、水曜日の朝に夫が仕事を休んで息子を小児科へ連れていき、私を病院まで送ってくれました。

病院では基本的には紹介状が必要なのですが、私は既に通院をしているので、他の科でも当日受診することができました。
胆嚢に関しては消化器内科が専門だとは思いますが、念のため「受診科相談」を利用。何科を受診すればよいかわからない時に、看護師さんが相談に乗ってくれるというものです。
看護師さんがくれた答えは「とりあえず総合内科へ」。
…むぅ…遠回りしそうだな…最初から消化器内科の狙い撃ちか、やっぱり紹介状書いてもらえばよかった…。
飛び込みで行った割には案外待たずに診察室へ。その日の担当医は卒後2年目の若い男性のレジデント(研修医)でした。(おいおい大丈夫かな、というのが正直な気持ち…)

とはいえ、かかりつけ医の診断と血液検査の結果を持っていったので、だいたいのことはルーティン化しているようで、「最初の検査から2週間経っているので、もう一度検査をしましょう」と、すぐに採血、午後からエコーの検査を入れてもらえました。

総合病院での診察結果は…

検査が一通り終わった午後、再び午前と同じ診察室へ。
研修医が血液検査とエコーの結果をプリントアウトしてくれました。

血液検査の結果は、肝機能は全て正常値CRPの上昇もなし
エコーの結果は、
胆嚢ポリープ疑い。(底部 長径12.7mm、体部 長径2mm)
慢性胆嚢炎のエコー所見なし

胆嚢エコー画像
↑胆嚢エコーの画像
ナスのような形をしたものが胆嚢で、その右上の部分の白い塊がポリープです。

で、どうしたらええの??」 といくら研修医と言えども突っ込むのも失礼だと思い、次どう切り出せばいいのか考えている隙きに、

医師
呼んだ?

と、診察室奥のバックヤードからオフロスキー(知らない人はスルーしてくださいw)の如くベテラン医師が登場。
「消化器内科専門にやってます、〇〇です」と名乗られました。
治療をどうするかの最終的な判断については、専門の上級医に任せてもらえたようだったので安心しました。

医師
胆嚢ポリープは、やっぱり1cmを超えると、稀ではありますけど中にガンが隠れている場合があるんで、基本的には手術で取りましょうってことになるんです。
Yazi
「取る」というのは胆嚢を全摘するってことですよね?
医師
はい、全摘ですね。39歳か…。年齢的にも、このまま置いておく方が将来的にもリスクになるので、今のうちに取っておいた方がいいかなと思いますね。ちょっと外科の方にも聞いてみようか。

(外科の先生に電話で確認)

医師
やっぱりポリープの大きさが1cm超えてることと、痛みがあるなら早めに取ったほうがいいですって言われてました。
Yazi
わかりました。じゃあ、手術でお願いします

そんなわけで、その場で翌日の整形外科の後に外科の診察を予約してもらいました。
外科の診察を受けるということは即ち、翌日には手術日を決めて、術式などの説明を受けるということです。
そして、手術が決まったということで、「今日CTを受けて帰ってください」とのこと。展開が早い!

実は、既に痛みが我慢できないレベルになってきた頃から、血液検査の結果がどうあれ、医師に勧められたらすぐに手術を決めようと思っていました。ポリープの大きさは既に手術適応だったので、痛みと倦怠感から早く逃れたい、早く取ってほしいという一心でした。

ただ、ここでの手術の決め手はあくまでもポリープの大きさ。かかりつけ医で言われた「胆嚢炎」ではありませんでした。
じゃあこの痛みは何?? 胆嚢も腫れてないならなんで痛いの?? という疑問は消えません。
また、急性胆嚢炎は9割が胆石によるもの、慢性胆嚢炎もやはり胆石によるものが大半とのことですが、胆石は今まで指摘されたことがありませんでした。
中には、手術して摘出した胆嚢を開いてみて初めて、エコーにも映らない小さな胆石がたくさんあった、という話も目にしましたし、「無石胆嚢炎」という怖い症状もあるとか…。

無石胆嚢炎では、それまで胆嚢の病気の症状や徴候がみられたことのない人で突然、上腹部に耐えがたい激痛が生じるのが典型的です( 胆石のない胆道痛)。炎症は極めて重度であることが多く、胆嚢の壊疽や破裂を引き起こします。
無石胆嚢炎は、非常に容態の悪い患者に起こる傾向があります。MSDマニュアル家庭版 胆嚢炎

うーん、これにも当てはまらないし、本当にこの痛みの原因は一体何なの…?
病気をネットで調べだしたら不安ばかりになる、とは最近よく言われますが、本当にそう。素人が原因を探ったところでどうにもならないので、この日はとにかく手術が決まったことに安堵を覚えたのでした。

(つづく)

次の記事
胆嚢摘出手術の記録(4) 外科の診察、手術日決定と術式説明

こちらの記事もどうぞ