四面楚歌

本質的なことからずれている。きっとそこまで至っていない。
誰かを傷つけたかもしれないという自責感。
そばにいた人がいなくなるかもしれない焦りと寂しさ。

強い風が街を、そして心の中まで冬枯れの景色に変えていく。

すっかり強くなったと思っていた自分が、本当は何も変わっていないのだと気付いた瞬間。
それは母が携帯から送ってきた慣れないメールに返事をしようとするときだった。

外から見るのとは裏腹に、私自身は自分に対してあまりにも受動的だったな。
きっとあの人の好意を受け入れられないのは、本当はまだ人と向き合うのが怖いからかもしれない。