2009. Apr. 3
花の生涯-梅蘭芳
この春は、大作と呼ぶにふさわしい中国映画が続々と公開されます。
現在、東京で先行上映されている『花の生涯-梅蘭芳』もそのひとつ。
チェン・カイコー監督の不朽の名作『さらば、わが愛-覇王別姫』の再来か、との呼び声高い作品です。
京劇界でカリスマ的人気を誇った実在の人物、梅蘭芳を演じるのは、なんだか最近急にステキに見えてきた、レオン・ライ。
でもそれよりも素晴らしかったのが、青年期の梅蘭芳を演じた余小群という人。
中国の伝統的な越劇の役者さんらしいのですが、とにかく女形の妖艶な動き、ナイーブでどこか儚げな雰囲気が、せつないストーリーにより一層花を添えていたように思います。
そして中国語をマスターして挑んだという安藤政信の演技にも注目です。
チャン・ツィイーが、本格的に京劇を学び男形の役者を演じたり、わいせつ写真事件の被害者であるジリアン・チョンが、その事件のイメージダウンにより出演部分をすべてカットされたりと、公開前から何かと話題の多い作品でしたが、最後はやはりチェン・カイコーらしさが存分に出された、せつなく美しいストーリーに仕上がっていたなあというのが感想です。
久々に満足できる後味のよい作品でした。
『花の生涯-梅蘭芳』
3月7日よりロードショー
監督:チェン・カイコー 出演:レオン・ライ、チャン・ツィイー、安藤政信
公式サイト
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