2009. Apr. 21

『レッドクリフ』の宣伝戦略

パートⅠのあの中途半端(失礼!)なエンディングからはや半年。
もうそんなに経つのかーという感じではありますが、ようやくパートⅡが公開されましたね。

私はまだ見に行っていないのですが・・・
実はマスコミ試写に遅刻して行けなかったので、結局上海から帰国する友達にDVD頼むかも(笑)

それはさておきこの映画、ストーリーや中身よりも、その宣伝戦略がとても面白いなーと思ったので少し裏話を。

Hualiu

この映画の配給元は、最近映画分野でもメキメキと手腕と振るっているエイベックス。
実は配給だけではなくて、映画の製作費にもお金を出しているわけです。
最近、台湾でレーベルを立ち上げたり、アジア映画の配給が増えたりと、アジアとのパイプを太くしているイメージがあるとはいえ、はっきり言って日本ではマイナー分野である中華スター主演の映画をどうやって日本で展開していくのか、とても興味を持っていました。

実際、その宣伝戦略は成功裏に終わったわけですが・・・
ちらりと聞いた裏話や、会見でジョン・ウー監督が話していたことをまとめてみると、以下のような特徴がありました。

1.ターゲットを中国好き・三国志好きのみに絞らず、宣伝を一般向けのメディアで行った
2.ストーリーの説明として、勇気・友情など共感の得られるメッセージが織り込まれていることを強調
3.女性受けしやすいように、ヒロインの存在を強調
4.金城武、中村獅童、エイベックスなど日本との関係の深さを強調
5.出演者のメディア露出頻度の高さとパートⅠ映像の普及の早さ

うーん、目からウロコ。
正直、中国映画をヒットに導くのはかなりムリがあるだろう、大丈夫かー?なんて思っていたのですが、実際の展開を見てさすがだなあーと。
実は何気なく流してしまいそうな広告から監督や俳優さんの発言まで、とっても巧妙に戦略を練られていたのですね。
他の呑気な日本映画の宣伝に比べて、すごく知能犯に思えてしまうのは私だけでしょうか。
中国や香港の映画は、ジャッキー・チェンのものでもない限り大々的に宣伝されることもなかったのですが、特にこの分野に興味のなかった人が、トニー・レオンやリン・チーリンの名前や顔を覚えてくれるというのはなかなか喜ばしいことでもあったりします。

珍しくビジネス的な角度から考察してみましたが、宣伝戦略としてもなかなか参考になることが多い作品です。

2009.Apr.21 23:24







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