2006. Nov. 23

上海の都市計画

世界中から熱い視線を注がれている上海。
外国人によって租界が形成されモダンな街へと変貌し、今では外資によって目覚しい発展を遂げ、誰もが認める現代の大都市である。

・・・と、このイメージを持って上海という街を観察してみると。。
ここの都市計画ってものはどうなってるの??と思わず自分の目を疑いたくなってしまう。

China, Shanghai

自宅近辺ではまもなく2号線の延長路線と新設5号線のターミナル駅が開通するとかで、道路工事にショッピングセンターやオフィスビルの建設が同時進行しており、さながら産業革命のような、はたまた戦場のような有様である。

上海の街を歩いていると、いつも都市計画の未熟さが目に付いてしまう。
古い歩道はガタガタのブロックが浮き出ているし、新しく敷き詰められたブロックは隙間にヒールが引っかかるし、なぜか表面にはわざと砂が撒かれていて、少し歩くだけで靴はドロドロ、ガタガタ。
最近続々とオープンしているオフィスビルやショッピングセンターも、建設途中から目にしていると、なんと壁にはレンガが積み上げてあるのだ。しかもスカスカの質の悪いレンガの隙間をセメントで埋めてある。
オープンしたところで中に入ってみても、内装や設計もあまりにもセンスがないし、入居しているショップはどこも同じでまったく代わり映えがしない。
辛口な書き方だけどこれが率直な感想で、あくまでも数を増やすことや見た目を新しくすることばかりに気をとられて、中身が伴わず利用者・消費者からの視点が一切反映されていないように見えて仕方ない。

中国の発展モデルを考えると全体的に同じことが言える。
文革以来ほぼ鎖国状態だった中国があまりにも急速に改革・開放を進めたために、すべてが飛び級でステップを踏んでおらず、その間を埋める知識や技術が抜けてしまっているのだ。
それを国内の人材で解決するにはとりあえず見た目を真似るしかなく、従来の方法で外見を取り繕うしかないからだ。

数日前、浦東に森ビルが建設中の高層ビルの名前が「上海ヒルズ」に決定した。
昨日には政府から英語の名前はダメだと拒否反応を示したらしい。
上海ヒルズは六本木ヒルズのように複合商業施設を目指すらしいが、これまでのノウハウを注ぎ込んだ外資の都市計画は受け入れ難いということか。

最近外資に対する制限を始めた上海。
自給自足で維持し、これ以上の発展を望むには、まだまだ無謀ではないだろうか。

2006.Nov.23 11:11







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