帰りたい

上海に戻ってきたGW半ばの夕方。
必要最低限のものをスーパーへ買出しに行き、薄暗い部屋でふと思った。
日本に帰りたい。
そんな感情のときは何の理由もない。
ただ瞬間的に訪れる感情があって、たまたまそのときがそんな気分だっただけだ。

すっかり蒸し暑くなっていた部屋の空気に、数ヶ月開けたことのなかった窓を開いて外の空気を混ぜ込んでみる。
次第に空はどんどん黒さを増し、雨粒が音を立てて落ちてきた。
気分が沈んでいるときは、不思議と激しい雨が降る。

とにかくフワフワとした落ち着かない何かを抑えるために、村上春樹の小説を読みながら眠りに落ちた。