入院が決まったら。入院〜退院〜外来診療までの心得

前回のエントリー、備えあれば憂いなし。急な救急搬送と入院で学んだことに引き続き、入院が決まった場合に心得ておきたいことをメモしておきます。
基本的には今回私が経験した、総合病院での病気での入院の場合です。
産院での出産、入院時には今回とは状況が違いましたので、当てはまらない事項も多いかと思います。
また、病院や病状によっても違いがあるかと思いますので、あくまでも参考程度にお願いします。

【入院が決まったら準備すること】

その日に症状がおさまり、自宅に帰れることになれば良いのですが、やむを得ず入院となることもあります。
その時点で何日と言われればまだ良いのですが、検査次第では手術になったりと、退院までの日数が読めないことの方が多いと思います。
特に、ご夫婦で奥さんが入院となり、奥さんが普段家事をしていて物の場所がわからない…別々に住んでいる家族が急に倒れた…などの場合には困りますよね。。

・家族に荷物や着替えを持ってきてもらったり、買い物を頼む場合は指示を明確に
「どこの部屋のどこの引き出しの何段目にある何色のどれ」といった感じで、持ってきて欲しい物がある場合にはピンポイントで伝わるようにしましょう。
探してもらってもわからない場合は、その場で電話してもらったり、写真を送ってもらって確認するのが一番です。
また、買ってきて欲しいものも、商品の写真を送るのが一番です。大体ネットで検索すれば出てきます。

・飲んでいる薬は持参する
前のエントリーでも書きましたが、服用中の薬は必ず持参しましょう。病院で出された処方薬はもちろん、普段飲んでいる市販薬やサプリもあれば持っていった方がいいです。医師や看護師が確認し、管理してもらう場合があります。また、新たに投薬治療が必要になれば、薬剤師の聞き取りがあり、飲み合わせの相談に乗ってくれたりもしますし、足りなくなった他院での処方薬を追加処方してくれる場合もあります。

・高額医療費制度の申請をしておく
入院となると、治療費が高額医療制度で定められた上限額を超えて適用対象となる場合があります。
制度を利用するには支給申請が必要です。上限額を越えた場合には、退院前に認定証を受け取って病院に提出していれば、退院の会計時に差し引いた金額での請求となります。事後申請の場合には差額の返却となります。
退院後に外来診療が必要な場合にも適用されますので、入院が決まった時点で申請しておくと安心だと思います。
高額療養費制度を利用される皆さまへ – 厚生労働省

【入院中に必要なもの】

・着替え
どんな状況であれ必ず必要なものですよね。入院中は基本的にパジャマで過ごす人が多いと思いますが、前開きのものを用意しておくのがベターです。
自分で着替えられない場合や手術予定がある場合、出産を控えている場合は、必ず前開きのものを準備するように病院から指示されると思います。
病院や病状によるかとは思いますが、自分で動けない人は看護師さんが体拭きと着替えをしてくれますのでその利便性と、出産の場合は授乳があるためです。
また、暑い季節にはもちろん薄手のものが良いですが、寒い季節でも病院の中は暖かいので、フリースなど厚手のものは不要かと思います。寒い時には羽織ものや靴下などで調節することをおすすめします。

・ティッシュ、洗面用品、歯磨き用品、入浴用品、女性であれば化粧品など、生活に最低限必要なもの
この辺りも当然ですね。洗顔や入浴についても、自分で出来るのであれば自分で用意するのが基本になります。
ただ、自分で動けない場合には、顔拭き用の蒸しタオルや、口をゆすぐための吸い飲みとうがい受けを持ってきてくれるところもあります。

・お箸、コップやお茶、フォーク、スプーン
これも食事にはついてこない病院が多いので、持参するか売店で購入することになります。

・おむつや尿とりパッド、生理用ナプキン、産褥パッドなど
これらも必要な状況になれば、病院側では用意してくれませんので、売店で購入するか持参するように指示されます。

【入院中にあると便利なもの】

・愛用の枕や抱きまくら、低反発クッションなど
大半をベッドの上で過ごすことになる入院生活は、寝具が合わない場合にはストレスや苦痛の原因になってしまいます。
病院のベッドはけっこう硬めなので、ひどい腰痛とお尻の痛みがあった私は、初日は患部の痛みの他にベッドが合わないことも眠れない原因になりました。次の日、自宅で愛用している低反発のクッションを持ってきてもらったところ、腰の負担が劇的に楽になりました。
また、枕が変わると眠れない人は自分の枕を持参した方が良いと思います。
妊婦さんや、患部の痛み、骨折や手術後などで姿勢が制限される人は抱き枕やビーズクッションなどがあると良いかも。貸してくれる病院もありますので、すぐに用意できない場合は看護師さんに聞いてみると良いかも知れません。
入院生活を少しでも快適に過ごせるように、環境を整えておくことは大切だと思いました。

・耳栓、アイマスク、スマホスタンド、ポケットWi-Fi、ペットボトルストロー、ウエットティッシュなど
この辺りは人にもよるかと思いますが、大部屋の場合には音や声、光などが気になったりして眠れないこともあるので、耳栓とアイマスクは用意しておくと便利。
また暇つぶしなどにスマホを使う人は、スタンドがあれば便利だなあと思いました。院内に患者用のWi-Fiがない場合、ヘビーユーズするならばポケットWi-Fiをレンタルする人もいるようです。
ペットボトルストローは、100円ショップやドラッグストアなどで買うことができます。寝たままでもペットボトル入りの飲料を飲むことができるので、個人的には入院には必須アイテムだと思っています。出産の時にも今回の入院時にも、これなしでは水分補給も薬を飲むこともままならなかっただろうと思うほど、大活躍したものでした。

・バックストラップ付きのサンダル
私の入院していた病院では、転倒防止のためにスリッパが禁止されていて、かかとの付いたものを履くように指示されていました。
実際にはスリッパを履いている人もいましたが、外履きと同じものが必要になるので、私は夏に履いているバックストラップ付きのフットベッドサンダル(ビルケンシュトックのようなスタイルのもの)を履いていました。
医師や看護師さんは、仕事中はクロックスのようなサンダルを履かれているので、そういったものでも良いと思います。
何より履きやすくて歩きやすく、滑りにくい。更には靴下を履いたままでも履けるので、これらのものがおすすめです。

【入院中の心得】

・できないことは無理せずナースコールをする
痛みが我慢できない、眠れない、トイレに行きたい、取れない場所にあるものを取りたい、部屋が暑い、体が熱い、寒い…などなど、入院中にはそれまで自分で対処出来ていたことが出来なくなってしまうこともあります。
忙しそうな看護師さんを見ているとついつい我慢してしまうこともあるのですが、向こうもそういった患者さんをお世話するのがお仕事なので、無理せず我慢せずナースコールをしましょう。たとえ夜中でも、看護師さんに相談してみればすぐに解決することもあります。

・検査や投薬が必要になったらどのような検査や薬なのか、何のためなのかきちんと聞いておく
検査や投薬が必要な場合は事前に医師から説明があるはずですが、手術の前ほど慎重に丁寧に説明をしてくれる医師は多くありません。
実際に検査や薬には、リスクや副作用などを伴うものもあります。特に薬に関しては、出されたものを何も考えずに飲むのは危険だなあと感じたことがこれまでに何度もありました。説明がないまま処方されたお薬が、特に希望していない効用のものだったり、合わない、効かないとわかっているお薬が処方されたり…。
因みに私は、処方されたお薬は、飲む前にまずどんなお薬かネットで調べます(良い面も悪い面もあるとは思いますが)。
自分の病歴や体質、合う薬・合わない薬を知っていると、事前に医師と相談しながら治療方針を決めることもできますので、やはり日頃から自分の体のことを知っておくのはとても大事なことだと思います。

・検査や診断結果を聞く際には、疑問に思ったことは聞いておく
その場で説明があるにせよ、突然聞かされた結果に対して、疑問や質問はすぐには出てこないものだと思います。私も実際そうでした。でも自分の体のことなので、事後にでも聞きたいことは整理しておいて聞くようにしておきましょう。
また、同意できないことや納得できないことにははっきりと意思表示をすることも必要です。
患者側にはセカンドオピニオンを受ける権利がありますので、そちらの制度を活用することも一つの手です。

・リハビリや退院の日程などは、きちんと病状を伝えて希望があれば医師に相談する
医師や看護師さんがきちんと病状を把握してスケジューリングまでしてくれる場合は問題ないのですが、自分でどのくらい回復してきたのか、どれくらい動けるのかということは、言わないとわからないこともあります。
医師の回診の際にでも、リハビリを入れてもらえるのか、どのくらいで退院できそうか、など自分から相談することも必要だと思いました。

【退院後の外来受診時には】

順調に回復し、完治して退院できればめでたしめでたしです。
しかし、引き続き外来で治療が必要な場合は、以下のことを実践しておくとスムーズに診察が受けられるのではないかと思います。

・症状や経過を記録しておく
一度退院してしまえば、医師は様子を見に来てはくれませんので自分で伝えるしかありません。
医師は必ず開口一番に「どうですか?」と聞いてきますが、今までは何も準備をせずに行って、漠然としか病状を伝えられずにもどかしい思いをしていました。
今回はさすがに入院してしまい再発も多い病気なので、今後きちんと治療を受けるためにも、症状や経過を毎日記録しておくことにしました。項目は、気になる症状、痛み・痺れの程度、処方薬以外に飲んだ薬、備考(生活の変化や経過)です(私の場合)。
もしうまく伝えられなくても、医師にそれを見せればある程度は伝わるかと思います。むしろ、医師は主観的な伝え方よりも、そういったデータで示す方が分かりやすいのではないかと思います。

・質問はメモに書いておく
外来受診は入院中とは違い、医師は次々に診察をこなしていく感じになるので、一人ひとりに時間をかけてはくれません。そのため、質問がある場合はメモに書いておきましょう。うまく説明ができない場合は、そのまま渡してしまう手もあります。
患者側も、スムーズな診察に協力することが必要だと思います。

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