2006. Jun. 5

怒と哀

私が誰かのことで涙を流すときは、私が傷を受けたからではない。
相手が私を傷つけるまでに至った誤解やお互いの理解の足りなさに失望するのだ。

涙を流す私を見て、きっと君は私が悲しんでいるのだと思うだろう。
私は悲しいのではない。
君との心の距離そのものに、やりきれなさを感じるのだ。

怒っている私を見て、きっと君は私が自分を守るためだと思うだろう。
自分だけのためならば、黙り込んでいればいいだけだ。
一方が間違って反対方向に向かった気持ちのベクトルを、すぐにでも修正したい。
本当の気持ちを理解したい、されたい。そんな気持ちが怒りとなるのだ。

人が悲しみや怒りをさらけ出すとき。
本当は見せるべきじゃないネガティブな表情の中には、愛されたい、理解されたい、失いたくない、そんな強く複雑な感情があって。
そんな私を見たときには、困り果てるんじゃなくて少しでもそれを思い出してほしい。
そのために、わざわざ見せたくない顔まで見せるんだから。

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2006. Mar. 28

過敏症

感情が敏感になりすぎて、少しのことでバランスが崩れそうになる。
寂しいとか、苦しいとか、痛いとか。
そんなマイナス信号を、必要以上に受け取ってしまう。
そんなにいらないのに。

きっとみんなは、これくらいじゃ何とも思わないんだろうな。
そう思いながらなんとなく心に穴がぽっかり開いているのがわかる。

でも誰かのせいじゃないから、またやりきれない気持ちになる。
もっとうれしいとか、楽しいとか、そんな気持ちでいっぱいにしたい。

母親に甘える子供のように、誰かにすごく甘えたいときがある。
今はきっと、そんなとき。

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2006. Mar. 2

中国語嫌い

最近つくづく感じる。
中国語の才能がない。
できれば中国語は話したくない。
中国に住んでいながら今さら気付く。

自分の言いたいことは言えないし、相手のニュアンスなんて全然わからないからだ。
中国語の簡潔さが孕んでいるニュアンスを推し量ることに、疲れてしまうことがしばしば。
母国語でないストレスも大きい。

日本語の遠まわしな言い方にこそ本当の感情を込めて話したいし、ときにストレートに言ってみるのだって面白いじゃない。

だけど。日本語だって中国語だって。
私は言葉なんかに振り回されたくないのだ。
言葉ほど力を持っていて、言葉ほど信憑性がないツールなんて他にないから。
それでも言葉しか表現の術がない私を、これからもここを通して見つめてくれれば。

追伸

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2006. Feb. 19

self control

いつもより早く目覚めた週末の朝。
昨夜のことを思い出すように、彼女の知らせを聞いて溜息ひとつ。
未だ口の中に残る君の味、そしてベッドの中の君の匂い。
感情のねじれが、絡まってほどけなくなるまでに狂おしさを増していく。
それはあの日、たった一夜の出来事から始まった過ちなのだろうか?

抑止できないのなら、もう走るしかない。
抑圧から開放されるのなら、どこまで堕落してもいい。
堕落が怖いと言うのなら、ありのままを受け入れるしかない。
どうしようもない自分が愛おしく思えるときまで、ずっとじっと。

「恋はするものではなく、堕ちるものだ」
どこかの作家が書いた陳腐な台詞を思い出しながら、すべてを洗い流したくなった。
熱いシャワーでも浴びよう。

そして追伸。こんなこと書いてる私にがっかりしないで。
もういい大人なんだから。

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2006. Jan. 17

ある意味羨ましい

吉本のキムと辺見えみりが結婚した。
言いたいのはそんなワイドショーの俗ネタ云々じゃなくてね。

辺見えみりが羨ましい。
あんな仏頂面で誰もが一瞬「をを・・・」と思うような男性を、あんな女優さんが一生の伴侶に選び、それを堂々とマスコミに発表したことが。
要は、二人の愛情やキムがどんなにいい人かどうかはともかく、人がどう思っていようが自分の好きなものに突き進んでいけるその信念に惚れた。
辺見えみり、ちょっと私の中で株が上がったぞ。

もし自分ならば、やっぱり周りが羨むような人を選びたいとか、二人並んだときのバランスとかを考えてしまって、結局恋愛まで自分のことしか考えず見栄なのか、なんて自己嫌悪に陥ったりしてしまいがち。
その前に本当の自分の基準ってものもわからなくなっているのが本音だったりする。
まあ恋愛なんて思い込み、好きだと確信した瞬間からもう抜け出せなくなっているのです。

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2005. Dec. 5

四面楚歌

本質的なことからずれている。きっとそこまで至っていない。
誰かを傷つけたかもしれないという自責感。
そばにいた人がいなくなるかもしれない焦りと寂しさ。

強い風が街を、そして心の中まで冬枯れの景色に変えていく。

すっかり強くなったと思っていた自分が、本当は何も変わっていないのだと気付いた瞬間。
それは母が携帯から送ってきた慣れないメールに返事をしようとするときだった。

外から見るのとは裏腹に、私自身は自分に対してあまりにも受動的だったな。
きっとあの人の好意を受け入れられないのは、本当はまだ人と向き合うのが怖いからかもしれない。

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2005. Nov. 18

物書きの憂鬱

深夜に突如姿を現す衝動。
あの人のように絵筆を取って、白いキャンバスを色で埋め尽くしたいと思った。
たまに何のバックグラウンドもないものに、不朽の憧れを抱くときがある。
それは一種のコンプレックスや劣等感に限りなく近い。
私はそれを、言葉で埋め尽くすことしかできない。
でも私には感情がひとつ、大きく剥落してしまったペンしか手元に残っていない。
まるで当時の栄華を語ることすら困難な、修復の必要なフレスコ画のような。

数年前愛した人がいた。
彼は私の書く文章が好きだと言った。
感情的に私を叱咤しながらも、その言葉を繰り返した。
彼のシンプルすぎる言葉が、逆に打ち寄せる波のように胸に響いたことを今でも覚えている。
彼だけではない。
それ以来同じ褒め言葉を使う男性には、思わずはっとしてしまう。

必要以上の比喩と修飾語で飾り立てた言葉たち。
その中には、本当はひとつの感情しか織り込まれていない。
あの人はきっと、それを見抜いていたのかもしれない。
再び静かに歩き出そう。あのときどこかへ行ってしまった感情の欠片を探しに。

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