なぜだか最近、ずっと忘れていたすごく好きだった人のことを思い出す。
その人は今どこで何をしていているのかはわからない。
きっと当時より近くにいるんじゃないだろうか。
きっと当時の番号に電話をかければまだつながるんじゃないだろうか。
憶測は半分以上の確率で正しい気がする。
でもそんな風に期待するほど人間は単純じゃないかもしれない。
これもひとりよがりに過ぎない。
電話番号もメールアドレスも、今はもう思い出せない。
今つながりのある人と偶然街で出会ったりするのに、どうして彼とは会えないのだろうか。
きっとそれが縁で、私たちはそれに逆らうことができなかっただけだ。
