本題

中国では昨年夏のサッカーアジア杯に続く反日運動が起きているらしい。
昨日はついに上海でも日本人の負傷者が出たらしい。
らしい、というのも私たちが普段通りに生活している感じでは、身辺ではそのような動きをまったく感じることがないからだ。
今日はそこのところ、中国と日本の関係について本音で書いてみようかと思う。

上海在住の日本人同士でよく話題になるのが、「中国人の友達はいるか」。
なんとほとんどの人がいないと答える。韓国人や西洋人とは付き合いやすいけれど、中国人とは友人関係にはなりにくいというのが大方の意見だ。
中国はその国土の大きさ、人口の多さゆえに様々な生活階層があり、そのレベルによって文化程度もかなり変わってくる。学歴が高く高収入の階層は、文化や思想も日本人や西洋人とあまり変わらず、違和感なく接することができる。
中国に住む外国人は大部分が留学生か外資系企業の職員である上、西洋や日本、韓国は貧富の差が極端に激しいわけではなく、人々の道徳観などはある程度近いと思われる。
また外資系企業は人件費の安さが魅力の中国で、際立って優秀な人材を高額の給料で雇用するよりも、そこそこ用を足せるくらいの人をそこそこの給料で雇用する。
そのため、外資系企業内部では外国人の管理職と中国人社員との調和が難しくなってくる。
そんな中で中国人スタッフと、友人と呼べるような関係に発展するのは難しい。

現在起こっている反日運動は、日本の常任理事国入り問題をきっかけに他のことまで付随して事態が深刻になっているようだが、現地では関連のニュースはまったくと言っていいほど報道されていない。
中国政府批判への発展の恐れと、次回オリンピック開催国として諸外国に醜態を晒したくないというのが理由だそうだ。
事実をありのままに伝えない報道。報道しないことが野次馬や便乗犯を抑制しているという皮肉な面もあるけれど。

反面、きっと日本では異常なまでの報道合戦が繰り広げられていることだろう。
なぜ中国人は反日感情を持つのか、日本人はどうやって身を守るべきか、など。
その報道も当事者意識などなく、逆に危機感を煽るようなものだということを、前回のアジア杯の報道でいやというほど目にした。
それを見ている日本の両親は、必要以上の心配をしているに違いない。

今回歴史問題に対して言及するつもりはないが、日常生活でも日本人が中国人に対して思うこと、中国人が日本人に対して思うことなんかを聞いていると、今の状態では相互理解しあう姿勢がどちらにも欠けているような気がしてならない。
日中友好、と大きな目標を掲げる前に、解決しなければいけない問題はたくさんあると思う。

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