外灘にて

15年来の友人が上海に遊びに来た。
彼女は小学校からの付き合いで、中高の数年間のブランクがあったにせよ、私の一番近いところにいる人だ。
小学校時代の中学受験の進路の悩みから、現在に至っては就職活動の悩み、恋愛の悩み、それから上海に行くかこのまま日本で生活を変えるか・・・。
そんな今までの私の頭の中を巡ってきた思いを、彼女はすべて知っている。
彼女が実家を出るか、私が上海に行くか。
同時に同じような心境で、どっちが先に実現するかな、なんて言い合っていた2年前が懐かしい。
今では二人ともそのときの思いは実現して、ようやくスタートラインから少し駆け出したところだ。

そんな彼女との初めての上海での再会は、もちろん私が上海で一番好きな場所にしたかった。
租界時代の建築群とランドマークが同時に一望できるレストラン。
ここからは遠く離れた自分たちの生まれ育った場所での昔話に花を咲かせながら、今私たちのいる場面をふわふわとした不思議な感覚で、でも確実に記憶の中に書き記した。

その夜のライトアップは、人を饒舌にさせるほど眩しくて神々しかった。